【英検3級】長文読解のコツを掴む!効率よく解くための手順とは?

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今回は英検3級長文読解を取り上げたいと思います。

長文読解は、受験者の多くが一番苦手とするパートかもしれません。また1問あたりの配点も高いと予想されるため、一つ一つの問題がとても貴重です。そのため、ほかのパートをいち早く終わらせ、なるべくこの読解問題に時間をかけて取り組みたいと思っている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな英検3級の読解問題を効率よく解くためのコツや手順を詳しく紹介しています。限られた時間内でサクサク解けるようになれば、合格への道も近づくはずです。

ではさっそくみていきましょう。

英検3級長文読解の概要

まずは長文読解の大まかな内容について、問題形式と問題数、レベル、出題されるトピックなどを確認しておきましょう。まだ一度も3級を受験したことがない方は自分のレベルと合っているかなどを参考にしてください。

問題形式と問題数

筆記試験にはリーディングとライティングがあります。さらにリーディングは3つのパートに分かれています。長文読解はそのうちの3つ目(赤枠のところ)で、パッセージの内容に関する質問に答える長文の内容一致選択の問題です。

英検3級


パッセージは全部で3つあり、それぞれの質問数は2〜4つ、全部で10問あります。

筆記の試験時間はリーディングとライティングを合わせて計50分です。理想的な時間配分は以下を参考にしてください。

筆記試験の内容理想的な時間配分
(計50分)
短文の語句空所補充15分
会話文の文空所補充5分
長文の内容一致選択20分
英作文10分

長文読解に残しておく理想的な時間配分は20分です。

英検3級のレベル

英検3級のレベルは中学卒業程度と言われています。中学卒業程度と言われてもピンとこない方のために、中学3年間で学ぶ文法事項をまとめてみました。

中1中2中3
be動詞be動詞の過去現在完了
一般動詞過去進行形不定詞2
疑問文・否定文未来分詞
疑問詞動名詞間接疑問文
命令文不定詞関係代名詞
三人称単数助動詞形容詞
現在進行形比較副詞
canthere is(are)
一般動詞の過去接続詞
名詞の複数形受動態

忘れてしまっている人はもう一度復習しておきましょう。

出題される場面や話題

3級で出題される問題の話題はどれも身近なものばかりです。

場面話題
家庭、学校、地域(各種店舗・公共施設を含む)、電話、アナウンスなど家族、友達、学校、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、道案内、自己紹介、休日の予定、近況報告、海外の文化、人物紹介、歴史など

専門的な知識は必要ありませんので、中3までの単語や表現を知っていれば十分です。

giving directions

長文読解 大問A: 案内板・掲示板

ではここからは、長文読解の解き方について具体的に見ていきたいと思います。

まず初めは大問Aです。大問Aは掲示板や案内板を読んで答える問題です。時間配分は、3〜4分ぐらいが理想です。

本文の構成を掴む

大問Aでまず最初にすることは、掲示板や案内板の全体図を見ておくことです。

掲示板や案内板は、見る人にとって一番分かりやすい方法で書かれているものです。下の例題で何か気づいたことはありませんか?

掲示板や案内板は、必要な情報がすぐ見つかるように、雛形(テンプレート)というものが存在します

以下の例題では、一番上にタイトル、真ん中に日時と場所、下に注意書きや連絡先が続いています。

eiken A
出典:2020年第2回英検


雛形に沿った全体の構成をまず確認しておくことで、問われている答えを素早く見つけることができます。今は詳しい内容を一語一句読む必要はありません。どこに何が書かれているのかをまず押さえることが大切です。

具体的な解き方の手順とコツ

全体の構成を押さえたところで実際の質問に移ります。

設問1

What will happen if the weather isn’t good on September 19?
1 Everyone will get a three ­dollar discount.
2 Everyone will get one free dish.
3 The festival will be held at a train station.
4 The festival will be held at a university.

質問は

もし9月19日に天気がよくない場合はどうなりますか?

ですね。

ここでは選択肢にじっくり目を通す必要はありません。先に読んでしまうと、誤った情報に惑わされてしまうからです。

全体の構成はもうすでに確認してあるので、すぐに日時のところに目を移すことができます。

eiken A2


するとSeptember 19という日付が書かれているので、その辺りを答えを探すように読んでいきます。もしそこになければ注意書きのところも見るようにします。

すると、日時や場所のところの一番下にIf the weather is bad, it’ll be held at Westland University.と書かれているのがわかります。見つけたらそこに必ず線を引きます。線を引く理由は、後で自分がどこまで読んであるかが分かるからです。

線を引いたら選択肢に目を通し、同じ内容が書かれている番号を選びマークします。

答えは4ですね。

英検では、本文と選択肢で語句の言い換えがよくあります。この場合だと、bad→isn’t good、it→the festivalと言い換えてありました。


続いて次の質問です。質問文だけ読みましょう。

設問2

People who want to take a cooking lesson have to
1 know how to cook Chinese food.
2 send an e­mail to Vanessa Wong.
3 go to the blue tent in the morning.
4 check the festival’s website.

質問は

料理教室を受講したい人は〜しなければならない

です。ここでも選択肢はじっくり読んでおかなくても大丈夫です。

次の質問の答えはさっき線を引いたところよりも後に答えがある場合が多いので、最初から読み直す必要はありません。

また、cooking classについての情報は補足情報のところにある可能性が高いので、下の注意書きのところにあるはずです。

eiken A3


答えを探すように読んでいくと、To take part in one of these lessons, please sign up in the blue tent before noon.(これらのクラスのうちのどれかに参加する場合は、正午までにブルーテントの中で申し込んでください)と書いてあります。

選択肢を読んでみると、それを言い換えてあるのは3です。この場合、take→take part in、before noon→in the morningと言い換えてありました。

大問Aを解くときのポイントは以下の通りです。

大問Aを解く時の流れ
  1. はじめに雛形を意識して全体図を把握しておく。
  2. 質問文を読んだら答えを探すように読み、見つけた箇所に線を引く。
  3. 選択肢を読み、同じ内容のものを選んでマークする。
  4. 次の質問文に進む。

続きは②から④の繰り返し

  • 次の質問の答えは線を引いたところよりも後にあることが多い。
  • 語句の言い換えに注意。
  • 時間配分は3〜4分。


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長文読解 大問B: Eメール

続いて大問Bです。

大問BはEメールのやり取りの内容を読んで質問に答える問題です。時間配分は、5〜6分ぐらいが理想です。

本文の構成を掴む

メールはAとBの二者間のやりとりで、A→B、またはA→B→Aの流れになっています。

では本文を見てみましょう。

メールや手紙でも大体の構成が決まっています。以下の例題でもそうですが、どのメールにも左上に誰から誰へ、日付、メールのタイトルが書かれています。本文は状況説明に続き、依頼内容、それに対する返事、確認と終わりの挨拶という流れになっています。

こういった全体図を知ることで、質問の答えがどこにあるのかを予測でき、時間短縮につながります。

eiken B1
A→B


eiken B2
B→A


eiken B3
A→B

具体的な解き方の手順とコツ

では最初の質問文に目を通しましょう。選択肢はまだじっくり読む必要はありません。また、最初の質問の答えは初めのAのメールにある場合がほとんどです。

設問1

How did Sam Clark get Tomoko Abe’s e­mail address?
1 From the hotel’s website.
2 From his sister.
3 From a travel company.
4 From his wife.

質問は

Sam ClarkはどうやってTomoko Abeのメールアドレスを入手しましたか

です。この情報は最初のメールの状況説明の中にあるはずです。

eiken B4


答えを探すように読んでいくと、本文の5行目にShelly gave me your e-mail addressとあります。Shellyは1行目に「私のsister」と出てきました。

選択肢に目を通すと2であることが分かるので2をマークします。もちろんこれも答えのところに必ず下線を引いておきましょう。

では次の問題に進みます。

設問2

What kind of room does Sam Clark want to stay in?
1 A single room with a view of the garden.
2 A single room without a view of the garden.
3 A double room with a view of the garden.
4 A double room without a view of the garden.

質問は

Samはどんな部屋に泊まりたいですか

です。選択肢はじっくり読む必要はありません。

この情報は最初のメールの後半にある依頼内容に含まれている可能性が高いです。また、答えは先ほど引いた下線よりも後にあるはずなので、それ以降から答えを探すように読み進めます

eiken B5


すると、「ダブルルームで庭の見える部屋がいい」と書いてある箇所があります。

選択肢を読んでいくと、これと同じ内容なのは3だとわかります。ここに必ず線を引き、答えをマークします。

問題はまだ続きます。

設問3

What is Sam Clark’s wife looking forward to?
1 Taking pictures in the hotel’s garden.
2 Planting a cherry blossom tree in her garden.
3 Meeting Tomoko Abe.
4 Having a picnic with Shelly.

質問は

Samの奥さんは何を楽しみにしていますか

です。これも先ほど下線を引いたところよりも後に答えがあるはずです。さらにこれはSamの奥さんが楽しみにしていることは何かという質問なので、Samが書いたメールの内容に答えがある可能性が高いですね。では3つ目のSamが書いたメールを見てみましょう。

eiken B6


すると、My wife loves taking pictures, so she’s really excited about taking some in the garden(私の妻は写真を撮るのが好きなので、庭の写真を撮るのを楽しみにしている)という箇所があります。

選択肢を読んでいくとそれと同じ内容は1ですね。この場合、looking forward→excited aboutに言い換えてありました。

大問Bを解くときのポイントも大問Aの時と同じです。

大問Bのポイント
  1. はじめに雛形を意識して全体図を把握しておく。
  2. 質問文を読んだら答えを探すように読み、見つけた箇所に線を引く。
  3. 選択肢を読み、同じ内容のものを選んでマークする。
  4. 次の質問文に進む。

続きは②から④の繰り返し

  • 次の質問の答えは線を引いたところよりも後にあることが多い。
  • 語句の言い換えに注意する。
  • 時間配分は5〜6分。
resort


長文読解 大問C: 説明文

ではいよいよ大問Cです。大問Cは説明文を読んで質問に答える問題です。ここでの時間配分は、10分が理想です。

本文の構成を掴む

掲示板・案内板、Eメールでもそうでしたが、全体図を把握することはこの大問Cでも同じです。

下の例題を見てみると、一番上にタイトル、本文については、概要→歴史→現在という構成であることがわかります。さらに、各段落の一番最初の文(トピックセンテンス)が各段落の概要を説明しています。

eiken C1
出典:2020年第1回英検3級


こういった全体図を知ることで、質問の答えがどこにあるのかを予測でき、時間短縮につながります。

具体的な解き方の手順とコツ

では具体的な手順を説明します。全体図を把握したら、一番最初の質問に目を通します。

設問1

The Grand Canyon
1 was made by Native Americans.
2 is visited by many people each year.
3 is the coldest place in the world.
4 is 1.6 million years old.

これは、「グランドキャニオンは」に続く文を選ぶ問題です。選択肢はじっくり読む必要はありませんが、質問文が短い場合は適度に読んでおく必要があります。

選択肢を見るとグランドキャニオンの一般的な情報についての質問だということがわかります。

ということは本文前半の「グランドキャニオンの概要」の箇所に答えがありそうですね。

eiken C2


答えを探すように読んでいくと、Every year, millions of people come to see the beautiful views of the Grand Canyon.(毎年何百人もの人々がグランドキャニオンの美しい景色を見に来ます)とあります。

選択肢を見てみると、それを言い換えている文は2だとわかります。

答えのところに下線を引いて答えをマークします。ここでは、millions of people→many people、come to see→is visitedと言い換えてありました。

では次の問題に進みましょう。

設問2

Which area do most people visit in the Grand Canyon?
1 The North Rim.
2 The South Rim.
3 The West Rim.
4 The East Rim.

この質問は

ほとんどの人はグランドキャニオンのどのエリアを訪れますか

です。

答えは先ほど下線を引いたところよりも後にある可能性が高く、さらに訪れるの一般的な行動を聞いている文なので、これもグランドキャニオンの概要のところに答えがありそうです。

eiken C3


答えを探しながら読み進めていくと、Ninety percent of the people visit an area called the South Rim(90パーセントの人がSouth Rimと呼ばれるエリアを訪れます)とあります。

答えは選択肢2ですね。ninety percent of the people→most peopleと言い換えてありました。下線を引き、答えをマークします。

では次の問題です。

設問3

What did John Wesley Powell do in 1869?
1 He climbed down into the Grand Canyon with President Roosevelt.
2 He traveled around the Grand Canyon with García López de Cárdenas.
3 He began living in the Grand Canyon with Native Americans.
4 He thought of the name the “Grand Canyon.”

質問は

John Wesley Powellは1869年に何をしましたか

です。まだ選択肢はじっくり読む必要はありません。

これは歴史の内容を聞いている質問なので、グランドキャニオンの歴史のところに答えがあるはずです。

eiken C4


答えを探すように読んでいくと、Much later, in 1869, an American named John Wesley Powell traveled down the Colorado River by boat with some men. During the trip, Powell named the place the “Grand Canyon” in his diary.(そのずっと後の1869年、John Wesley Powellは何人かと一緒に船でコロラド川を下った。その道中、Powellは日記にその場所をGrand Canyonと名付けた)とあります。

選択肢を読んでいくと同じ内容を述べているのは4なので4をマークします。答えがあったところに下線を引くのも忘れないようにしましょう。

では次の質問です。

設問4

Why do boat tours of the Grand Canyon take so long?
1 Visitors have to ride in small boats.
2 The boats stop at many Spanish restaurants.
3 The canyon is very large.
4 National parks have many rules for visitors.

この質問は

なぜグランドキャニオンのボートツアーはそんなに時間がかかるのですか

です。

先ほど下線を引いたところよりも後に答えがある可能性が高く、さらにこれは現在のことについて聞いている質問なので、答えはおそらく最後の段落の「グランドキャニオンの現在」のところにあるはずです。

eiken C5


答えを探すように見ていくと、Because the canyon is so big, a boat tour can take about two weeks.(キャニオンはとても大きいのでボートツアーは約2週間かかります) とあります。

big→largeと言い換えてありますが、同じ内容は選択肢3になります。下線を引いて答えをマークしましょう。

さあいよいよ最後の質問です。

設問5 主題は何かを問う問題

What is this story about?
1 A famous national park in the United States.
2 A special kind of rock from Arizona.
3 A city with cold summers and hot winters.
4 A president who found a new canyon.

この質問は

この話は何についてですか

です。これはこの説明文全体に関する質問ですね。つまり、主題は何かという質問です。

説明文の主題はタイトルにあります。この説明文のタイトルはThe Grand Canyonでした。

このような主題を聞いている問題の答えは他にも、段落の一番最初の文(=トピックセンテンス)をつなげて読むと、説明文全体の主題が見えてきます。

In Arizona in the United States, there is a very large and deep valley, and the Colorado River runs through it.
アメリカのアリゾナ州には大きくて深い谷があり、コロラド川が谷を通って流れています

Every year, millions of people come to see the beautiful views of the Grand Canyon.
毎年、何百人もの人々がグランドキャニオンの美しい眺めを見に訪れます。

Native Americans have lived in and around the canyon for thousands of years.
アメリカの先住民が何千年もの間、谷の中や周りに住んでいます。

In 1903, U.S. president Theodore Roosevelt decided to protect the canyon and made it a national monument.
1903年、ルーズベルト大統領はその谷を守ることを決め、国定記念物としました。


これらトピックセンテンスを全部つなげて読んでみると、一つの説明文が完成することがわかります。

このように、「この話は何についてですか」というように主題を問う問題は、タイトルやトピックセンテンスをつなげてみると答えが見えてきます。

そうすると自然と選択肢1が答えであるとわかりますね。

reading Grand Canyon


大問Cのポイント
  1. どういう流れの説明文なのか全体図を把握する。
  2. 質問文を読んだら答えを探すように読み、見つけた箇所に線を引く。
  3. 選択肢を読み、同じ内容のものを選んでマークする。
  4. 次の質問文に進む。

続きは②から④の繰り返し

  • 次の質問の答えは線を引いたところよりも後にあることが多い。
  • 主題を聞いている質問は、タイトルやトピックセンテンスを読む。
  • 語句の言い換えに注意する。
  • 時間配分は10分。



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英検3級長文読解の手順とコツ まとめ

いかがでしたか?

最初は時間がかかってしまうかもしれませんが、慣れてくればこれが一番早く解ける手順です。問題をたくさん解いて練習してみましょう。

また、長文では知らない語句が出てくることは当たり前です。知らない単語が出てきても意味を推測し、立ち止まらずに読み続ける力を養いましょう。さらに、日頃から多くの単語に触れ、語彙力を伸ばしていくことも大切です。

合格に向けてぜひ頑張ってください。

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