みなさんこんにちは。
「ワクワクする」という意味で次のように言ってしまう人はいませんか?
実はこれ、間違いなんです。
日本語だと「ワクワクしている」のだからingじゃないの?と思ってしまうかもしれませんが、英語ではちょっと考え方が違います。
先ほどの文を英語的に考えると、
I’m so excited.
が正解になります。
それはなぜでしょう?
今回は、excited/excitingをはじめ、-ed/-ingを使った形容詞(分詞形容詞)の正しい扱い方を見ていきます。相手に大きな勘違いをさせてしまわないよう、今日は違いをしっかりマスターしてくださいね。
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外側からの働きかけなら「I’m excited.」
なぜ「I’m excited」になるのか?
excitedやexcitingの元となっているのはexciteという動詞です。
これを辞書で調べてみると、
ex‧cite /ɪkˈsaɪt/
to make someone feel happy, interested, or eager
LONGMAN現代英英辞典
日本語にすると「誰かを幸せな気持ちにさせたり、興味をもたせたり、熱望させたりすること」という意味です。つまり「ワクワクさせること」という使役を含んだ意味になります。
そうなると自分は「ワクワクさせられる」側になることから、形容詞になった時も-edをつけて受け身(受動態)のような形になります。
それが
I’m excited.
となる理由です。
英語では「私はワクワクさせられている」というニュアンスですが、それを日本語にすると「私はワクワクしている」となるわけです。
ここで覚えておくといいのが、英語では自分の感情というものは「外側からの働きかけによって生まれる」という考え方です。
例えば、「ワクワクする」のは「もうすぐで夏休みだ」という事実があり、その働きかけによって自分は「ワクワクさせられている」と考えるわけです。
イメージとしてはこのような感じです。

exciteように、最初から「〜させる」という意味を持つ「させる系の動詞」はほかにもたくさんあります。どんなものがあるのか例を見ておきましょう。
interest | 興味を起こさせる |
bore | 退屈にさせる |
surprise | 驚かせる |
confuse | 混乱させる |
shock | 衝撃を与える |
embarrass | 恥ずかしい思いをさせる |
satisfy | 満足させる |
tire | 疲れさせる |
annoy | いら立たせる |
touch | 感動させる |
encourage | 励ます |
overwhelm | 圧倒させる |
frustrate | イライラさせる |
thrill | 興奮させられる |
terrify | 怖がらせる |
disappoint | がっかりさせる |
これらの動詞が元になってできた-edや-ingで終わる形容詞(分詞形容詞)でどちらを使うのか迷った時は、さっきのI’m excitedと同じように考えてみましょう。
例:
I’m interested.
私は興味を起こさせられています。
→私は興味があります。
He feels bored.
彼は退屈にさせられている気分です。
→彼は退屈な気分です。
The cat looks surprised.
その猫は驚かされているように見える。
→その猫は驚いているように見える。
They seem confused.
彼らは混乱させられているようです。
→彼らは混乱しているようです。
The long drive made me very tired.
長時間の運転は私をとても疲れさせました。
→長時間運転して私はとても疲れました。
-edで終わる形容詞と一緒に使う前置詞
I’m excitedだけでは「何によってワクワクさせられているのか」が伝わりませんね。そんなときはどうすればいいのでしょう?
動詞の受動態では、
The room was cleaned by my mother.
部屋は母よって掃除されました。
というように前置詞のbyを使って動作主を表しましたね。
またbyだけでなく、
The mountain is covered with snow.
その山は雪で覆われている。
のように、動詞によってはwithを使うこともありました。
同じように、-edで終わる形容詞(分詞形容詞)にもこれが当てはまります。どの前置詞を使うのかはその形容詞によって異なるため以下の表を参考にしてみてください。
excited about〜 | 〜にワクワクしている |
interested in〜 | 〜に興味がある |
bored with〜 | 〜に飽きている |
surprised at〜 | 〜に驚いている |
confused at(by)〜 | 〜で混乱している |
shocked at〜 | 〜にショックを受ける |
embarrassed by(at)〜 | 〜で恥ずかしく思う |
satisfied with〜 | 〜に満足する |
tired from〜 | 〜で疲れている |
annoyed with(at, by)〜 | 〜にイラつく |
touched by〜 | 〜に感動する |
encouraged by〜 | 〜に励まされる |
overwhelmed by〜 | 〜に圧倒される |
frustrated by〜 | 〜にイライラする |
thrilled by〜 | 〜に興奮する |
terrified of〜 | 〜を怖がる |
disappointed with〜 | 〜にがっかりする |
例:
I’m surprised at the news.
私はその知らせに驚いている。
He is tired from a long journey.
彼は長旅で疲れている。
They seem satisfied with the service.
彼らはそのサービスに満足しているようです。
She got encouraged by the letter from her parents.
彼女は両親からの手紙に励まされた。
What are you so excited about?
なんでそんなにワクワクしてるの?
覚えるときのコツは「分詞形容詞+前置詞」のセットで、念仏のように何度も声に出して覚えることです!

excited about
excited about
excited about
excited about
…..
I’m excited about the summer vacation!
外側への働きかけなら「I’m exciting.」
I’m excitingの本当の意味
さて、これまで-edで終わる形容詞の扱い方を見てきました。
次は、これをI’m excitingと言ったらどんな意味になってしまうのでしょう?
excitingもまたexciteという動詞からできた形容詞(分詞形容詞)ですが、この場合は受け身ではなく、逆にこちら側から外側へ働きかけていると考えます。まさに元の動詞の「〜させる」という意味をそのまま表すことになります。
なので、
I’m exciting.
という文の意味は「私はワクワクさせる人です」となります。つまり「自分は刺激的な人間だ!」と言っているのと同じことになります。
イメージとしてはこのような感じです。

「自分がサッカーをすることでファンをワクワクさせている」というイメージですね。まさに外側への働きかけが起こっている状態です。
他の例文も見ておきましょう。
例:
The news is shocking.
そのニュースは衝撃的です。
The meal was satisfying.
その食事は満足のいくものでした。
The horror movie seems thrilling.
そのホーラー映画は怖そうだ。
I had a very embarrassing moment.
私はとても恥ずかしい瞬間を味わった。
The trip became more interesting towards the end.
その旅は終わりに近づくにつれてさらに面白くなりました。
誰にとってそうなのかは「to+人」で表そう!
誰にそうさせているのか?を付け加えたいときは、「to+人」で表すことができます。toは外側に向かうという意味を持つ前置詞です。
The game is exciting to me.
その試合は私にとってワクワクさせるものです。
The song is very encouraging to everyone.
その曲はみんなにとってとても励まされるものです。
Those are interesting ideas to us.
それらは私たちにとって面白いアイディアです。
-ed?それとも-ing? 今回のまとめ
いかがでしたか?今回は-edや-ingで終わる形容詞(分詞形容詞)について見てきました。
まとめると次のようになります。
英語では自分の感情は外側からの働きかけによるものであることから、
外側からの働きかけの場合は-ed形(受動態の形)になる
例:I’m excited (about the game).
外側への働きかけの場合は「〜させる」という元となる動詞の-ing形になる
例:The game is exciting (to me).
自分は間違えるわけがない!と思っている学習者の方でも、例えば「私は退屈です」と言いたい時に、
I’m so boring!
(私は周りをすごく退屈にさせる人間です!)
と言ってしまったりする場面を私はこれまで何度も見てきました。
でもこの記事を読んでくださったみなさんは、もうこのような間違いをすることはないですね?これからも誤解を招かないよう気をつけてみてください。
おわり
オススメの本!いわゆる文法書というより教養としての読み物に最適です。
The summer vacation is almost there. I’m so exciting!
もうすぐ夏休みね。ワクワクしちゃう!