効果大!簡単スラッシュリーディングで英語力の底上げをする方法

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今回はみなさんの英語力を総合的に底上げできる勉強法についてご紹介します。それは、「スラッシュリーディング」と呼ばれるトレーニング方法です。

特にオススメしたい人が、英文を聞いたり読んだりするときに後ろから訳してしまう癖のある人です。英文をきちんとした日本語にしようと戻り読みをしてしまうので、会話をしていても応答に時間がかかったり、文章を読むのが遅くなったりしてしまいます。そんな方にはこのスラッシュリーディングがとても効果的です。

スラッシュリーディングを積み重ねていくと、次のような効果が期待できます。

  • 読むスピードが速くなる
  • 文法が分かる
  • リスニング力がアップする
  • 会話がスムーズになる

まさにいいことだらけですね。しかも用意するのは手元にある問題集や洋書、それと鉛筆だけ!余計なコストはかかりません。

今回はそんなスラッシュリーディングの具体的なやり方を順に見ていき、実際にスラッシュリーディングをやってみましょう。

スラッシュリーディングとは?

スラッシュリーディングとは、意味のまとまりごとに /(スラッシュ)を入れていき、英文の意味を英文の語順通りに理解しながら読んでいく、という読み方です。chunk(チャンク=かたまり)を単位に文章を区切って読むことから「チャンキング」とも呼ばれます。

例えば、

Springfield’s women’s soccer team, the Springfield City Sharks, won the final of the national tournament last week. (2019年英検第3回3級より抜粋)

という文があります。これをキレイな日本語に訳すと、

「スプリングフィールド・シティ・シャークスというスプリングフィールドの女子サッカーチームが、先週、全国大会で優勝しました」

となります。

これを、

Springfield’s women’s soccer team, / the Springfield City Sharks, / won the final / of the national tournament / last week. 

というように意味のまとまりごとにスラッシュを入れていきます。

スラッシュを入れた意味のまとまりを英語の語順どうりに訳してみると、

「スプリングフィールドの女子サッカーチームは / スプリングフィールド・シティ・シャークスといって / 優勝した / 全国大会で / 先週」

となります。これがスラッシュリーディングです。

スラッシュリーディングではキレイな日本語訳は必要ありません。英語の語順のまま、英語で意味を理解していけばいいのです。

この方法でトレーニングを積んでいくと、やがて日本語に訳すことすら煩わしくなってきて、英語を英語の語順のまま、英語でスッと頭に入ってくるようになります。ここが最終ゴール、つまり自分の脳が英語脳になるということです。

でも、どこにスラッシュを入れていいのか分からないニャ。

という方は、以下を参考にしてみてください。

スラッシュで区切る場所はここ!

スラッシュを入れるところは大体決まっています。5つしかないので覚えやすいですね。

スラッシュで区切るところ
  1. 主語+述語の後
  2. 前置詞の前
  3. 接続詞の前
  4. 修飾語が続く名詞の後
  5. カンマ( , )、セミコロン(;)、コロン(:)の後

では一つ一つ例を見ていきましょう。

主語+述語の後

主語+述語(「〜は…だ / 〜は…する」)は1つのまとまりとして考えます。例えば、

I am 30 years old.
The flower smells good.
She lost the money.

という文は、主語+述語のセットです。

She lost the money / for the trip because her bag got stolen.
彼女はお金を無くした /

このように、She lost the moneyを一つのまとまりとして考えましょう。

前置詞の前

前置詞は、in, on, at, from, to, under, above, by, in front of, behind, with, until, before, afterなど種類が豊富で、場所や時を表す時に一緒に使う品詞です。「前置詞+名詞」を一つのまとまりとして考えましょう。

例えば、

My mom is cooking / in the kitchen.
母は料理をしている / キッチンで

The car / in front of us wouldn’t move.
/ 私たちの前の

She went straight / to her friend’s house / after school.
彼女はまっすぐ行った / 友達の家に / 放課後

のように、前置詞の前にスラッシュを入れましょう。

接続詞の前

接続詞とは文と文をつなげる働きをする品詞です。例として、and, but, because, if, or, when, that, after, before, by the time, untilなどがあります。

例えば、

I like apples, / but my brother doesn’t like them.
私はりんごが好きです / でも

Pam was later for work / because she slept in.
パムは仕事に遅れました / なぜなら

He told me / that he was going to America.
彼は私に言いました / ということを

Don’t use the car / until it’s fixed.
車を使わないで / まで

修飾語が続く名詞の後

名詞の後は、それが一体どんなものかを説明する修飾語が続くことが多いです。修飾語とは、動名詞(〜している)、to不定詞(〜するための)、過去分詞(〜された)、関係詞(〜という)などがそうです。

例えば、

There are some birds / singing outside.
/ 歌っている(動名詞)

This is the machine / to make bread.
機械 / 作るための(to不定詞)

He is the president / chosen by everyone.
大統領 / 選ばれた(過去分詞)

The best book / that I have ever read is Harry Potter.
最高の本 / 〜という(関係詞)

というようにです。

カンマ( , )、セミコロン(;)、コロン(:)の後

これは見ただけでわかるので簡単ですね。

カンマ( , )は文中に句や節を挿入したい時に使います。

One of the most famous towers, / the Eiffel Tower, / is in Paris.
もっとも有名なタワーの一つ / エッフェル塔 / パリにあります。


セミコロン(;)はトピックが同じ文と文を接続詞の代わりとして繋げる時に使います。

I didn’t like coffee before; / I drink it everyday now.
前はコーヒーが好きではなかった(でも) / 今は毎日飲んでいる。


コロン(:)は前文の内容の補足情報を述べる時に使います。

I like fast food: / hamburgers, / hot dogs, / and ramen.
私はファーストフードが好きです(つまり) / ハンバーガー / ホットドッグ/ ラーメン



実践!スラッシュリーディング

5つのスラッシュを入れるポイントが分かったところで、実際に次の5つの文章にスラッシュを入れてみましょう。

よし!やってみるニャ!


1. The first thing he talked about was the bus schedule. 

The first thing / he talked about / was the bus schedule. 
まず最初は / 彼は話した / バススケジュールでした。


2. The players will give hundreds of blue and white Sharks towels to fans during the parade.

The players will give hundreds / of blue / and white Sharks towels / to fans / during the parade.
選手たちは何百個もあげる / 青の / そして白のシャークスのタオル / ファンに / パレードの間


3. There will also be speeches from the coach and some of the players.

There will also be speeches / from the coach / and some / of the players.
スピーチもあるだろう / コーチから / そして何人かの / 選手たちの


4. Also, you need to give the money for the trip to Ms. Morrison by January 17.

Also, / you need to give the money / for the trip / to Ms. Morrison / by January 17.
また / お金をあげる必要がある / 旅行のための / モリソンさんに / 1月17日までに。


5. During the 1920s, it was the fastest sailboat in the North Atlantic Ocean, so people called it the “Queen of the North Atlantic.”

During the 1920s, / it was the fastest sailboat / in the North Atlantic Ocean, / so people called it / the “Queen / of the North Atlantic.”
1920年代 / それは一番早いヨットだった / 北大西洋で / だから人々はそれを呼んだ / 女王 / 北大西洋の

スラッシュリーディングの5つの注意点

スラッシュリーディングをする時の注意点がいくつかあるので挙げておきます。

スラッシュリーディングの注意点
  1. レベルに合った教材を選ぶ
  2. 戻り読みしない
  3. なるべく日本語に訳さない
  4. スラッシュを入れるところにこだわりすぎない
  5. 慣れてきたら意味のまとまりを大きくする

レベルに合った教材を選ぶ

教材選びは重要です。背伸びをせず、自分のレベルに合った教材を選びましょう。

初心者であれば、洋書の絵本、英検4級のリーディングの過去問などがオススメです。使われている単語や文構造も簡単なので気軽に始められると思います。

slash reading sample
出典:Curious George「おさるのジョージ」


中級者であれば、もう少し文の長いものがいいです。

出典:英検準2級第2回

戻り読みしない

スラッシュリーディングをする目的は、英文を英文の語順で読むとことです。後ろから読んでいく癖のある人は、後ろから訳していきたい気持ちをグッとこらえましょう。

どうしてもそうしてしまう人は、最初の語よりも後の部分を何かで隠しておき、読んでいく時に隠れていたところを徐々に開けていくというやり方がオススメです。

My dad is going to buy me /□□□□□…

My dad is going to buy me / a new ski jacket / □□□□□

My dad is going to buy me / a new ski jacket / before the trip, /□□□□□…

My dad is going to buy me / a new ski jacket / before the trip, / so I didn’t have to ask you /□□□□□…

My dad is going to buy me / a new ski jacket / before the trip, / so I didn’t have to ask you / to lend me one.

なるべく日本語に訳さない

スラッシュを入れる例では分かりやすいように日本語に訳してありますが、スラッシュリーディングではなるべく日本語に訳さず英文のまま理解するようにしましょう。英語→日本語→英語という回路から脱却できれば、リスニングやリーディングで速く英文が理解できるようになります。分かりきっている文はいちいち日本語には訳さないで先に進みましょう。

スラッシュを入れるところにこだわりすぎない

スラッシュはあくまでも目安です。これが正解というわけではなく、意味のまとまりごとであればどこでもいいのです。スラッシュを入れることに時間を取られてしまっては本末転倒なので、細かいことにはこだわらず、ある程度の適当さが大切です。

テキトーなら僕のことだニャ。

慣れてきたら意味のまとまりを大きくする

初心者はスラッシュを細かく入れていくといいですが、慣れてきたら意味のまとまりを大きくし、スラッシュの数を減らしていきましょう

例えば、

These boats became very popular in the 1930s, so the captain and owner of the Bluenose sold it in 1942.

という文なら、最初のうちは、

These boats became very popular / in the 1930s, / so the captain / and owner / of the Bluenose sold it / in 1942.

というようにいくつもスラッシュを入れていくと思いますが、これが慣れていくと、

These boats became very popular in the 1930s, / so the captain and owner of the Bluenose sold it in 1942.

のように、ほとんどスラッシュを入れなくても理解できるようになります。

最終的にスラッシュなしで読めるようになれば、みなさんの脳が英語脳になった証拠です。そうなるまでにはもちろん努力と継続が必要ですので、根気よく頑張っていきましょう。

スラッシュリーディング まとめ

スラッシュリーディングのやり方をまとめると以下のようになります。

  1. 主語+述語の後
  2. 前置詞の前
  3. 接続詞の前
  4. 修飾語が続く名詞の後
  5. カンマ( , )、セミコロン(;)、コロン(:)の後


また注意点として、次の5つがありました。

  1. レベルに合った教材を選ぶ
  2. 戻り読みしない
  3. なるべく日本語に訳さない
  4. スラッシュを入れるところにこだわりすぎない
  5. 慣れてきたら意味のまとまりを大きくする

スラッシュリーディングは日頃の英語学習にぜひ取り入れたいトレーニング方法です。総合的な英語力を底上げしたい方はぜひやってみましょう。


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こんにちは!英会話スクールの主任講師として約10年ほど英会話を教えてきました。英会話スクール講師のほかTOEICセミナー講師、通信教育の添削指導者、英語翻訳などを経て、現在は大阪で主婦をしています。TOEIC910点取得。得意分野は英文法、発音、英検・TOEIC、アメリカンカルチャーなど。中学英語の見直しを基本に、みなさんに役に立つ記事を発信しています!