英検3級を受験予定のみなさん、試験勉強は進んでいますか?ご存知かもしれませんが、3級からの筆記試験では、マークシートの他に記述式の問題も出題されます。
それがライティング(英作文)です。
英検のライティングは、ある質問に対して自分の言葉で答える問題です。
そこで今回は、
- 英検3級のライティング問題について
- 解き方のコツ
- 定型文の例
- 練習問題
の順にライティング対策をしていきたいと思います。
これから英検3級を受験しようと思っている方、ライティングが苦手だという方はぜひ参考にしてみてください。
クリックできる目次
英検3級ライティング問題について
ライティングは10分で勝負!
英検3級の筆記試験の時間はトータルで50分です。その50分間のうち、ライティングに残しておきたい理想的な時間配分は10分です。長いか短いかはその人によりますが、何も対策をしていないと10分という時間はあっという間に過ぎてしまいます。
筆記試験の内容 | 理想的な時間配分 (計50分) |
---|---|
短文の語句空所補充 | 15分 |
会話文の文空所補充 | 5分 |
長文の内容一致選択 | 20分 |
英作文 | 10分 |

筆記試験が終わると、その後すぐにリスニング試験が始まります。それまでに他のセクションの見直しなども必ず済ませておく必要があります。
長さは25語〜35語が目安
語数の目安は、25語〜35語とされています。
これは単語数のことで、例えば
I want to go to Germany.
は6語です。
解答が極端に短かったりした場合は減点対象になってしまいます。
出題される質問パターンは3つ
英検3級のライティングでは、個人的な好みや考えを問う質問が出題されます。質問の内容にはパターンがあり、そのパターンは大きく分けて次の3つです。
〜が好き(する・したい)かどうかを問うパターン
まずこのパターンですが、過去に出題された例を見てみると、
- 家族に食事を作るのは好きですか?
- 暇なとき自転車に乗りますか?
- 将来留学したいですか?
などです。
このパターンは、Do you like to cook for your family?のように、「はい」か「いいえ」で答えられるので比較的簡単かもしれません。もちろん「はい」「いいえ」だけではなく、その理由も述べる必要があります。詳しくは次の章でみていきます。
具体的な考えを問うパターン
このパターンはWhenやWhatなどのWHで始まる質問文です。例えば、
- 友達と何をして過ごすのが好きですか?
- あなたの夢は何ですか?
- 来年の夏どこに行きたいですか?
などです。答えの幅が広いので、考え過ぎてしまうとあっという間に時間が過ぎていってしまうので要注意です。
AかBのどちらが好きかを問うパターン
最後のパターンは、AかBのどちらかを選ぶ問題です。例えば、
- 夏と冬のどちらが好きですか?
- 読書とビデオゲームのどちらが好きですか?
- 田舎と都会のどちらが好きですか?
などがそうです。どちらかを必ず選び、その理由を述べます。
採点基準は4つの観点から
どんなことが採点基準になるのかは英検の公式ウェブサイトに掲載されています。以下はその内容を抜粋したものです。ぜひ確認しておきましょう。
解答は4つの観点で採点されます。観点ごとに0~4点の5段階で評価され、得点の満点は16点となります(CSEスコアの満点は550)
ここで出てきた「4つの観点」とは、
観点(1):内容
課題で求められている内容(自分の考えとそれに沿った理由2つ)が含まれているかどうか
観点(2):構成
英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
観点(3):語彙
課題に相応しい語彙を正しく使えているか
観点(4):文法
文法的に正しい英文が書けているかどうか
のことです。

ライティングのイメージはつかめましたか?
それでは次に具体的な書き方のコツを見ていきましょう!
解き方のコツは5つ
型に沿って書こう
書くと言っても、書きたいことをただダラダラと書いていくのはやめましょう。その理由は、何を言いたいのかが掴みにくく、読んでいる方も疲れてしまうからです。もちろん先ほどの第2の観点から見ても減点対象になってしまいます。
そのためにオススメするのが、あらかじめ用意した「型」に当てはめて書いていく、というやり方です。その型とは、以下の通りです。
主張 | 自分の考えを明らかにする |
理由1 | 1つめの理由を述べる |
理由2 | 2つめの理由を述べる |
この型を使えば全体的にスッキリとした構成になり、自分の主張が一番伝わりやすくなります。どのパターンの質問が来ても、この型を使うように徹底すればスムーズに書き始めることができます。
では例を見ていきます。
家族のために料理をするのは好きですか?
という質問であれば、
主張 | はい |
理由1 | 母の手伝いができるから |
理由2 | 家族が喜んでくれるから |
というように、主張→理由1→理由2の順に書いていきます。
他にも、
あなたの将来の夢は何ですか?
という質問であれば、
主張 | 海外旅行に行くこと |
理由1 | 海外に行ったことがないから |
理由2 | 英語を使ってみたいから |
というようにです。
読書とスポーツではとちらが好きですか?
主張 | スポーツ |
理由1 | 健康にいいから |
理由2 | 仲間と一緒に楽しめるから |
というように、どのパターンの質問が来てもこの型に沿って書いていくよう徹底すれば、時間を無駄にすることなく、スッキリとした構成に仕上がるはずです。
答えやすい方を選ぼう
意外かもしれませんが、ライティングでは正直な答えを書く必要はありません。そのかわり、自分が答えやすい方を選びます。
まずは日本語でいいので、解答用紙の余白スペースにメモを書いてみましょう。
書いていくと、すぐに理由2まで思い付くようであれば、たとえ自分の本当の気持ちではなくてもそっちを選ぶようにします。また、どちらにも理由を2つずつ考えることができたとしても、より説得力のある方を選びます。
例えば
Which do you like better, summer or winter?
という質問に対し、
夏
① 夏休みが長いから
② スイミングやキャンプなど活動的になれるから
冬
① 暑いのが苦手だから
② 夏は虫が多いから
というように、それぞれの立場に立って理由を挙げてみます。さあ、説得力と書きやすさの観点から皆さんならどちらを選びますか?

私なら「夏」を選んで書くと思います。
つなぎ言葉をうまく使おう
次に大切なのは、「つなぎ言葉」をうまく使うという事です。「つなぎ言葉」とは、文と文をスムーズにつなげる言葉のことです。
例を挙げると、
- because(なぜなら)
- Also(また)
- for example(例えば)
- Second(次に)
- so(なので)
などです。
例えば、
Which do you like better, summer or winter?
という質問に答える時、次のうちどちらの文の方が自然な流れになっていますか?
A
I like summer better. My school has a long summer vacation. I can become very active in the hot weather. I like to go camping with my family.
B
I like summer better because my school has a long summer vacation. Also, I can become very active in the hot weather. For example, I like to go camping with my family.
つなぎ言葉を使っている方のBの方が、流れがスムーズで読みやすいですね。
筋をちゃんと通そう
次に大切なのが、筋が通っているかどうかです。ちゃんと自分の主張をサポートする理由になっているかどうかを考えましょう。
例えば次の例を見てみましょう。
Which do you like better, summer or winter?
I like summer better because my school has a long summer vacation. Also, I can become very active in the hot weather. But, summer is sometimes too hot.
夏の方が好きだという主張にもかかわらず、「でも夏は時々暑すぎます」というように、夏が嫌いな理由も同時に述べてしまっています。これでは筋が通らなくなってしまいますね。夏が好きだという立場なら、夏のいいところだけを理由として述べるようにしましょう。

どちらか選ぶことができず、AとBのいいところを一つずつ書いても2つの理由とはみなされませんので注意してください。
関係のない内容は含めない
さらに、質問の答えに関係のない内容を含ませる場合も減点対象になってしまいます。
I like summer better because my school has a long vacation. Also, I can become very active in the hot weather. For example, I like to go camping with my family. I have a big family.
ここでは、最後のI have a big family.(私は大家族です)が質問の答えに関係していない内容になっていますね。
話が広がりすぎて理由を述べる内容とかけ離れてしまった場合は思い切って削除しましょう。
これでバッチリ!定型文を使ってみよう
それでも英文の書き方が分からない!という人は、次の2つ定型文のどちらかを覚えてしまうと比較的簡単にまとまった文章を書くことができます。
- 自分の主張 because 理由①. Also, 理由②.
- 自分の主張. There are two reasons. First, 理由①. Second, 理由②.
①はbecauseを使っています。②はThere are two reasons「理由が2つあります」という文を使っています。語数が35語までとされているので、理由の文が長くなりそうなら①を、短くなりそうなら②を使うといいですね。
例えば、
What’s your dream in the future?
という質問に、定型文を使って答えてみます。
- (自分の主張)My dream is to travel abroad because (理由①)I have never been to a foreign country. Also, (理由②)I want to use my English to communicate with other people.
- (自分の主張)My dream is to travel abroad. There are two reasons. Fist, (理由①)I have never been to a foreign country. Second, (理由②)I want to use my English to communicate with other people.
次の質問にも定型文を使って同じように答えてみます。
Do you like to go to the museums?
- (自分の主張)I like to go to the museums because (理由①)they have many interesting things to watch. Also, (理由②)it is fun to learn the history of science and old culture.
- (自分の主張)I like to go to the museums. There are two reasons. First,(理由①) they have many interesting things to watch. Second, (理由②)it is fun to learn the history of science and old culture.
いかがでしょうか?
型にはめるだけでそれらしい内容になりました。文章を組み立てる自信のない方は、ぜひ活用してみてくださいね。
書いたけど最低文字数の25文字に届かない!という時は、reallyなどの副詞、with誰、at/in場所などの表現を追加してみましょう。
I want to travel.(4語)
↓
I want to travel in Canada.(6語)
↓
I want to travel in Canada with my friends.(9語)
↓
I want to travel in Canada with my friends this summer.(11語)
↓
I really want to travel in Canada with my friends this summer.(12語)

最後に、単数形・複数形、a/an/theなどの冠詞、大文字・小文字、ピリオド・カンマなど、抜け落ちや間違いがないかも、必ず見直しをしましょう。
練習問題 & 模範解答
では練習問題を3つ用意しました。これまでの解き方のコツや定型文を思い出して実際に作文をしてみましょう。
What’s your favorite food?
My favorite food is curry. There are two reasons. First, spicy food gives me a very rich flavor. Second, curry is healthy. Many vegetables are used to make it.(29語)
定型文②を使った解答です。自分の主張のところは、What’s your favorite food?と聞かれているので、My favorite food is〜と始めます。
理由①は、辛い食べ物はフレーバーが豊かである、理由②は野菜がたっぷり入っていて体にいいから、としました。
物+gives+人+〜「物が人に〜を与える」のように、物を主語にする表現は英語でよく使われます。
(例) Video games give me a headache.
ビデオゲームをすると頭痛がします。
healthyという単語のスペルが分からない時は、good for youというように言い換えることもできます。単語やスペルでつまずいた時は、知っている単語で別の言い方ができないか考えてみましょう。
Which do you like better, reading books or playing sports?
I like playing sports better because it is healthier. Also, I usually play sports with my friends. Spending time with them is more important for me than anything else.(29語)
定型文①を使った解答です。AかBか選ぶ質問の時は、I like A(or B) betterから始めます。理由①は、読書よりも健康的だから、理由②は、スポーツは友達と時間を共有し、それが自分にとって何よりも大事、としました。
理由を述べる文にも積極的に比較級を使っていきましょう。
Do you want to study abroad?
I want to study abroad because I’m interested in foreign countries. Also, I want to experience the different culture and communicate with the people who live there. (27語)
定型文①を使った解答です。質問文はDo you wan to study abroad?なので、yesの場合はI want to study abroadと始めます。理由①は外国に興味があるから、理由②は、外国の異なる文化を経験したりそこに住んでいる人とコミュニケーションしたいから、としました。
I’m interested in〜「〜に興味がある」という表現は、自分の好みを述べるときに役に立つ表現です。
英検におすすめの本!
英検3級ライティング まとめ
いかがでしたか?英検3級のライティングには5つのコツがありました。
今回の内容をまとめると以下のようになります。
- 英検3級ライティングは25〜35語の内容を10分で仕上げる。
- 問題パターンは3つある。
- 5つのコツがある。
1. 自分の主張→理由①→理由②の順序で書いていく
2. どちらか迷った時は答えやすい方を選ぶ
3. つなぎ言葉を使う
4. 筋を通す
5. 関係のない内容は含めない - 定型文を利用する
ライティングはぶっつけ本番ではなく、必ず事前準備をしておきましょう。いろいろな質問パターンに慣れ親しんでおくと本番でもスムーズに書き始めることができます。日頃から自分がなぜそれが好きなのか理由を2つ考える練習をしてもいいかもしれませんね。
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英検3級の長文読解のコツはこちらです↓
受験者のみなさんには、このパートが一番苦手と感じている人も多いのではないでしょうか。ライティングが0点になってしまうと、他のセクションで満点を取っても合格できません。ですので、何らかの対策をきちんとしておきましょう。