今回のテーマは「和製英語」です。知らない間に私たちの日常生活にすっかり溶け込んでいる和製英語。みなさんはうっかり英語だと思って使ってしまい、恥ずかしい思いをしたことはありませんか?

Shoe cream? Is it even food?
靴クリーム?それって本当に食べ物なの?
和製英語は英語と区別しないといけないところが少しやっかいなんですが、正しい英語を知ることによって自分の語彙力をつけてくれる頼もしい存在でもあるのです。
そこで今回は「食べ物」に限定して、いろいろな和製英語を紹介していこうと思います。
その中には今まで英語だと思っていたものもあるかもしれません。それを知ればもう恥をかく必要も無くなりますね。この機会にぜひ語彙力アップを計ってみましょう!
ここで紹介する英語は主にアメリカ英語になります。同じ英語圏でもイギリスやオーストラリアなどでは違った表現になることがありますのでご了承ください。
食べ物に関する和製英語から本当の英語を知ろう

ホットケーキ
→ pancake
カタカナをそのまま訳すと「熱いケーキ」という意味になってしまいます。英語ではpan(フライパン)で焼くケーキなのでpancakeと言います。
アメリカのパンケーキは日本のホットケーキよりも薄めですが、何重にも重ねて食べるのでボリュームがあります。シロップのフレーバーも種類が豊富で、今日は何をかけて食べようかあれこれ考えるのも楽しみの一つです。
フライドポテト
→ French fries
直訳すると、「フランスの揚げ物」という意味です。フレンチフライという料理がが元々どこの国のものかでフランスとベルギーの間で論争が起きているとか。
The French fry—though indisputably a fry—may not actually be French. Some claim that fries originated in Belgium, where villagers along the River Meuse traditionally ate fried fish.
In winter, when the river froze, the fish-deprived villagers fried potatoes instead. It’s said that this dish was discovered by American soldiers in Belgium during World War I and, since the dominant language of southern Belgium is French, they dubbed the tasty potatoes “French” fries.
nationalgeographic.com
英訳すると、
「ベルギーのある川沿いに住む村人たちは昔から魚を油で揚げて食べていたそうで、冬になると川が凍って魚が獲れないので、代わりにジャガイモを揚げて食べていた。第一次世界大戦のときにそれを見たアメリカ兵が、その地域ではフランス語が公用語であったためフレンチフライと呼ぶようになった」
とあります。ちなみにヨーロッパではケチャップではなくマヨネーズをかけて食べるのが主流だそうです。みなさんも試して見てはいかがでしょうか?
レモンティー
→ tea with lemon
主役はあくまでもteaという位置付けです。with lemonは「レモンを添えた」という付属的なものに過ぎません。ミルクティーも同じくtea with milkと言います。
シュークリーム
→ cream puff

シュークリームは“chou a la creme”(シュー ア ラ クレーム)というフランス語が語源です。chouはキャベツという意味のフランス語。見た目が小さなキャベツのような形をしているからですね。英語で「シュークリーム」と言ったら「shoe cream=靴墨」に聞こえてしまいますので気をつけましょう。
ココア
→ hot chocolate

温かいココアのことをhot chocolateと言い、冷たいココアはchocolate milkと言います。cocoaは英語ですが、どちらかというとカカオ自体を指すことが多いです。chocolateの発音に注意しましょう。アメリカではホットチョコレートにマシュマロを入れて楽しむことがあります。日本人からしたら甘々なんですが、それが結構美味しかったりするのでぜひ試してみては?
チキンバーガー
→ chicken sandwich

シュリンプバーガー、ベーコンレタスバーガー、フィッシュバーガーなど、日本ではなんでもバーガーですが、英語では中に挟む具が牛ひき肉のパティ以外はサンドイッチ扱いになります。
アメリカのチキンサンドイッチはただのチキンサンドイッチではなく、ローストチキンサンドイッチ、スパイシーチキンサンドイッチ、クリスピーチキンサンドイッチなどたくさんの種類があるんです。
バイキング
→ buffet

Vikingとは昔ヨーロッパにいたノルマン民族のことで、この人たちが食べていたビュッフェ形式の料理がもとでその名が付いたそうです。最近では「ビュッフェ」という言葉も使われるようになりましたが、発音が英語と全く違うので注意してください。
ちなみに「食べ放題」はall you can eatと言います。
A: Do you want to try the new Mexican place tonight? It’s all you can eat with only 15 dollars.
今晩新しいメキシカンの店に行ってみない?たった15ドルで食べ放題なんだって。
B: That’s awesome! Let’s do it.
すごい!そうしよう。
ハンバーグ
→ Salisbury Steak
アメリカにはそもそもハンバーグと呼ばれる料理がありません。一番それに近い料理がおそらくSalisbury Steakと呼ばれる煮込みハンバーグのような料理です。アメリカでひき肉料理といえばミートローフやミートボール、あとはラザニアに入れたりハンバーガーとして出されることが多いです。

ピーマン
→ green pepper

pepperには唐辛子やコショウといった意味があるので、辛くないものと区別したい時はsweet green pepperやsweet red pepperのようにsweetを前につける方法があります。
またアメリカのピーマンは日本のピーマンのように小さくなく、大きさもパプリカぐらいあるので、そのベル型の形からbell pepperとも言います。
英語でpaprikaはパプリカパウダーを意味するのが一般的です。
ソフトクリーム
→ soft serve ice cream
英語を直訳すると「柔らかく提供するアイスクリーム」という意味になります。soft creamだと「柔らかいクリーム」という意味になったしまいますね。
ちなみに「アイス」も和製英語で、iceといえば「氷」という意味です。英語では省略せずにice creamと言いましょう。
アイスキャンディー
→ popsicle
棒付きアイスを意味する「アイスキャンディー」も和製英語です。このpopsicleという名前は、もともとアメリカの食品会社のブランド名でしたが、広く世間に浸透し、棒付きアイスは一般的にそう呼ばれるようになりました。イギリスではice-lollyと言うそうです。
色は見ての通りとてもカラフルですで、アメリカではポプシクルといえば赤という印象です。

このPopsicleように、ブランド名がそのまま物の名前になったものが英語にはいくつもあります。ティッシュペーパーのKleenex、セロハンテープのScotch tape、ふせんのPost Itなどもそうです。
アイスコーヒー
→ iced coffee
icedは「氷で冷やされた」という意味です。ice coffeeとは言わないのがポイントです。同じく「アイスティー」もiced teaと言います。
アメリカではもともとあまりアイスコーヒーを飲む習慣がなく、ちょっと前までお店でアイスコーヒーを置いてあるかどうか聞いても「what?」という反応しか返って来ませんでした。でもここ最近ではスターバックスがアイスコーヒーを提供し始めると人気が出て、今ではブームになっているところもあるようです。
アメリカンドッグ
→ corn dog

お祭りやちょっと小腹が空いた時などにたま〜に食べたくなるアメリカンドッグですが、英語ではcorn dogと言います。材料がアメリカでポピュラーな「コーンミール」というトウモロコシを挽いて粉にしたものを使っているのでそう呼びます。他にもイングリッシュマフィンやコーントルティーヤなどの生地の材料にもなっています。
プリン
→ custard pudding
「プリン」は英語のpuddingを聞いた通りにカタカナにした和製英語です。
ただ「プリン」だけでは、チョコレートプリンなのかバナナプリンなのか、それとも全く別のプリンなのかが分かりません。さらにアメリカにはrice puddingやbread puddingもあります。私たちが一般的に「プリン」と聞いて思いつくのあのプリンはcustard puddingと言います。
ちなみにイギリスでは「デザート」のことをpuddingと呼ぶそうです。
ウィンナー
→ sausage
英語の正式な名前はvienner sausageと言いますが、単にsausageだけも十分通じます。viennaはオーストリアの首都ウィーンの英語名です。それが日本語のウィンナーになりました。
ちなみにアメリカの国民食である「ホットドッグ」は、長細いパンにソーセージが挟んである食べ物ですが、ソーセージ単体でもsausageとは言わずhot dogと言うことがあります。

シェイク
→ milkshake

ファーストフードで人気のシェイクですが、そのままシェイクでは通じません。正しくはmilkshakeと言います。チョコレートシェイクはchocolage milkshake、ストロベリーシェイクはstrawberry milkshake です。注文の時には気をつけましょう。
ビスケット
→ cookie
日本語の甘いビスケットは英語ではcookieと言います。クッキーと違い塩味のプレーンなものはcrackerです。
アメリカではbiscuitは全く違う食べ物のことで、ふっくら焼き上げた塩味のスコーンのようなもので、朝食でよく食べられています。ケンタッキーのメニューにもありますね。
ちなみにイギリス英語はcookieという言葉はなく日本と同じbiscuit(ビスケット)と言うようです。

画像:Spicy Southern Kitchen
ガム
→ chewing gum
chewは「噛む」という意味です。gumだけでは「歯茎」という意味になってしまうので気をつけましょう。ちなみに「フーセンガム」はbubble gumと言います。
ハムエッグ
→ ham and eggs

ham and eggsになるところに気をつけましょう。発音は「ハメンデーグ」というようにつながって聞こえます。ハムがベーコンになったらbacon and eggsと言います。
他にも、カクテルの「ジントニック」はjin and tonic、「カレーライス」はcurry and riceと言います。
バニラエッセンス
→ vanilla extract
extractというのは「凝縮されたエキス」という意味です。バニラだけでなく、レモンの凝縮果汁などにもlemon extractのように使います。
シーチキン
→ canned tuna
「シーチキン」というのは、日本の食卓でおなじみの「はごろもフーズ」が製造するマグロやカツオなどから作る魚の缶詰の商品名です。英語ではtunaと言います。
ただしtunaは魚の「マグロ」を意味することもあるので、区別したいときはcanned「缶詰の」を使ってcanned tunaと言います。
テイクアウト
→ to go
ファーストフード店などで商品を持ち帰りたいときはto goという表現を使います。「中で食べる」と言いたいときはfor hereを使います。

A: I’d like a cheese burger and a large Coke, please.
チーズバーガーひとつとコーラのLを下さい。
B: For here or to go?
店内で食べますか、それともお持ち帰りですか?
A: To go, please.
お持ち帰りでお願いします。
ノンカフェイン
→ decaf

decafはdecaffeinated「カフェイン抜きの」という意味です。発音に注意しましょう。
他にも日本語では「ノンアルコール」という言葉がありますが、英語ではnon-alcoholicと言います。alcoholicは「アルコホリック」と発音するので注意しましょう。
ロールパン
→ rolls

英語でbreadというと薄く切り分ける四角い食パンのイメージがあるので、ロールパンはrollsというように区別します。rollというのは「巻く」という意味ですが、上の写真のように作る工程で巻いていないパンもrollsと言います。
レトルト
→ pre-packaged
英語でretort「レトルト」は「蒸留機」という意味になります。英語ではpre「事前に」packaged「パッケージ包装された」という単語を使い、pre-package「事前に調理済みのものをパッケージ包装した」という言い方をします。
和製英語はまだまだある!
食べ物に関する和製英語 まとめ
いかがだったでしょうか?
身近な食べ物にも和製英語がたくさん隠れていましたね。
発音に気をつけないといけないものは音声を聞いて確認してみましょう。正しい英語を知ればもう恥をかく必要も無くなりますし、語彙も増えます。
語彙力が足りないと思っている方は、和製英語から入ってみてはいかがでしょうか?一番の近道かもしれません。
おわり
How about some Shou cream? I know a good place for snacks.
ねえティナ。シュークリームでもどう?おやつにいい所知ってるんだ。