突然ですが、家の中をぐるっと見渡して下さい。見えてきませんか?あそこにも。ほらまたあそこにも。
クーラー、コンセント、コンロ、レンジにリモコン…。英語みたいだけど英語じゃないもの、いっぱいありませんか?
実はそれぜーんぶ和製英語なんです!
和製英語は日本の文化です。
外国から入ってきたちょっとシャレたものを、日本人が使いやすいようにアレンジされた和製英語は、もう日本語としてすっかり定着していますね。
ただ問題なのは、これを海外に持ち出してしまうと大きな誤解が生じたり、全く通じないことがあるということです。そうならないためにも、今からしっかり対策をとっていきましょう。
今回は和製英語の「家」編として、
「家」そのものに関するもの
「家」の中にあるもの
に分けて紹介していきたいと思います。
ではさっそくみていきましょう。
ここで紹介する英語は主にアメリカ英語になります。同じ英語圏でもイギリスやオーストラリアなどでは違った表現になることがありますのでご了承ください。
「家」に関する和製英語の正しい言い方
「家そのもの」に関する和製英語
マンション
→ condominium

英語にもマンションという言葉はありますが、「大豪邸」を意味します。
日本語の「マンション」は賃貸と分譲がありますが、英語では言い方が変わります。賃貸マンションはapartment、分譲マンションはcondominiumです。condominiumは短くしてcondoとも言います。
A: I live in a condominium near the station.
私は駅近のマンションに住んでるよ。
B: That sounds very convenient.
それすごく便利そうね。
マイホーム
→ my own house
myとhouseの間に「〜自身の、〜の所有している」という意味のownを入れます。
homeとhouseの違いですが、homeは「家庭」という意味であるのに対し、houseは「建物としての家」という意味になります。ですので、「マイホーム」は「家を建てた」というニュアンスに近いので、houseを使う方がベターですね。

ベランダ
→ balcony
英語にもverandaという言葉がありますが意味が違います。大体は一階にあり、家の前や横を柱などで囲ってある場所で、屋根が付いているスペースを指します。アメリカではporchというほうが一般的です。
一方balconyは二階以上にあり、屋根があったりなかったり、スペースもそれほど広くないものを指します。日本のマンションなどにある「ベランダ」はbalconyに近いと言えますね。


リフォーム
→ renovation

英語のreformは「(制度や組織を)改革する」「(法律などを)改正する」という意味になります。家の改造にはこのrenovationを使いましょう。動詞はrenovateです。
A: I’ve renovated the bathroom in my house. Do you want to come check it out?
家のバスルームをリフォームしたの。見に来たい?
B: Why not?
もちろん!
「家の中にあるもの」に関する和製英語
レンジ
→ microwave
microwaveは「マイクロ波」と意味です。電子レンジはマイクロ波で温めることからそう名前が付きました。日本語の「レンジ」は古いフランス語で「かまど」という意味があるそうです。フランス語からレンジという名前をつけるなんて、なかなかオシャレなネーミングですね。
日本における「電子レンジ」という名称は、1961年(昭和36年)12月、急行電車のビュフェで東芝の製品をテスト運用した際に、国鉄の担当者がネーミングしたのが最初とされる。その後市販品にも使われ、一般的な名称となった。
ウィキペディア
「レンジで温める」という動詞にもなるのでとても便利な単語です。ぜひ覚えておきましょう!
A: I’m off. Be sure to microwave the dinner before you eat.
もう出かけるわ。夕飯は食べる前にレンジでチンしてね。
B: OK, Mom.
分かったわ、ママ。
ミキサー
→ blender

英語のmixerはケーキのメレンゲ作りによく使う「電動ミキサー」のことです。ジュースなどを作ったりするときに使うミキサーはblenderと言います。
mixとblendの違いですが、blendのほうが形式ばった言い方で、「滑らかに混ぜ合わせる」「融合する」という意味合いを持っています。ジュースの他にコーヒーやお茶にも「ブレンドコーヒー」や「ブレンド茶」という言葉が使われていますね。
コップ
→ glass
日本語の「コップ」は材質を問わずになんでもコップと言いますが、英語はガラス製ならglass、その他ならcupと区別して言います。「コップ一杯の水」はa glass of waterと言います。
マグカップ
→ mug
ついでに「マグカップ」も和製英語です。どちらも取っ手がついていて似ていますが、cupはどちらかというと小さいカップ、mugは大きめのものを指します。mug cupと言うとと大きいの?小さいの?どっち?ということになりますね。

トイレ
→ bathroom

アメリカ英語でtoiletは「便器」そのものを指すので気をつけましょう。bathroomは家の中の部屋の一つです。海外ではお風呂も洗面所もトイレも全部同じ部屋にあるので、直接的な言葉を避けるためにbathroomという表現をします。一方「公衆トイレ」はrestroomと言います。
イギリスでは公衆トイレのことをtoiletと言うようです。
ホームベーカリー
→ bread machine

またはbread makerと言います。日本語の「ホームベーカリー」は英語に訳すと「家庭のパン屋さん」という意味です。アメリカのbread machineもかなり進化してきたようです。画像はクイジナート製の上位クラスのものですが、White, French, Whole Wheat, Ultra-Fast, Sweet, Gluten-Free, Artisan Dough, Dough, Jam, Packaged Mix, Cake, Bake-Onlyといったように12種類のメニューが搭載されています。デザインもすごくオシャレですね!
コンセント
→ outlet

outletには「アウトレットショッピンモール」や「出口」という意味もあるので、区別するためにelectric outletという場合もあります。「延長コード」はextension cordと言います。
「プラグをコンセントに差す」は英語でplug in、「プラグをコンセントから抜く」はunplug。英語のほうが短くてシンプルですね。
consentは英語ですが、「同意/同意する」という全く違う意味になります。また、イギリス英語ではコンセントをsocketと呼ぶそうです。
ドライヤー
→ hair dryer

dryerは洗濯で使う「乾燥機」という意味になります。髪を乾かすのに使う「ドライヤー」はhair dryerと言います。ちなみに食器乾燥機はdish dryerと言います。
「髪を乾かす」は英語でdry my hairですが、タオルで乾かす時も同じ表現なので、「ドライヤーで乾かす」という意味で区別したいときはblow-dry my hairと言いましょう。
リモコン
→ remote controller
「リモコン」はremote controllerを縮めて日本人が言いやすくした和製英語です。英語ではremote controllerといいます。短くしてremoteでも通じます。
「リモコン取って」は英語でPlease pass me the remote.「リモコンが壊れいる」はThe remote doesn’t work.や、The remote is broken.のようにいいます。
A: Please pass me the TV remote.
テレビのリモコン取ってくれない?
B: OK. Here you go.
オーケー。はいどうぞ。
A: Thanks. Uh oh. It seems this doesn’t work.
ありがとう。あれ?これ壊れてるみたい。
クーラー
→ air conditioner
日本語で「エアコン」ともいいますが、これもair conditionerを縮めて日本人が言いやすくした和製英語です。英語でcoolerというと、飲み物や食べ物を冷やすための「クーラーボックス」を指します。
「エアコンの温度を下げる」というのは「エアコンを強める」ということなので、turn up the air conditionerといい、その逆はturn down the air conditionerといいます。また、「消す」はturn off、「つける」はtun onですね。
アメリカのエアコン事情ですが、アメリカの多くの家は家全体にエアコンや暖房が行き渡るように中央制御装置みたいなものが備わっています。どの部屋に移動してもいつも涼しく(夏は寒いくらい!)、冬は暖かい快適な家なのです。

コンロ
→ stove

stoveで十分通じますがどんな種類かを区別したいときは、ガスのものはgas stove、電気のものはelectric stoveと言い、IHクッキングヒーターはInduction Heating stoveと言います。アメリカの比較的古いキッチンではぐるぐる巻きの電熱式のコンロが今でも使われています。
また英語のstoveは「コンロ」だけでなく、暖房器具としてのstoveがあります。ただ日本で一般的な石油ストーブではなく薪ストーブを指します。私たちが冬に使う「石油ストーブ」は英語でoil heaterと言います。heaterは英語では暖房器具全般を指す呼び方です。
ダストボックス
→ trash can

dustは「ホコリ」という意味です。「ゴミ箱」はゴミという意味のtrashやgarbageを使って一般的にtrash canまたはgarbage canと言います。イギリスではrubbish binやdust binを使います。binは蓋つきの大型の入れ物のことです。
クッション
→ pillow

「枕」のことをpillowというのは知っている方も多いと思いますが、ソファなどに置くクッションなどもpillowと言います。英語でcushionというときは、椅子に敷く座布団のような平たい敷物や、衝撃を和らげるための吸収材という意味合いがあります。
インターホン
→ doorbell

「インターホンを鳴らす」は英語でring the doorbellと言います。intercomという英語もありますが、あまり聞いたことがありません。聞くのは圧倒的にdoorbellです。
doorbellは直訳すれば「呼び鈴」という意味ですが、intercomのようなデジタルになってもアメリカ人は今まで通り馴染みのある呼び方で呼んでいるのだ思います。また、モニター付きのインターホンについてはまだ普及率は低いようです。
A: I heard the doorbell rang. Will you answer it?
ピンポン鳴ったわ。出てくれる?
B: Sure.
分かった。
キッチンペーパー
→ paper towel

日本語で「ペーパータオル」と言うと、洗面所やトイレなどで手を洗った後に手を拭く時に使うものを指しますが、アメリカではキッチンで使おうとバスルームで使おうと関係なく、どちらもpaper towelという言葉を使います。
リンス
→ conditioner
シャンプーをした後のリンスはconditionerと言います。conditionerには「状態を整えるもの」という意味があり、「エアコン」のair conditionerや「衣類の柔軟剤」のfabric conditionerなどにも使われます。
英語でrinseは「水ですすぐ、ゆすぐ」という意味です。ちなみに「お米を水で洗う」はrinse rice、「口をゆすぐ」はrinse my mouthと言います。no rinse shampooというシャンプーも売られていますが、これは「洗い流さないシャンプー」のことです。
ウェットティッシュ
→ wipes

wipeは「拭くもの」という意味で、普通wipesのように複数形で使います。濡れているものならwet wipesです。ウェットシートだけでなく「拭く」ものなら赤ちゃんのお尻拭きでもwipesです。「除菌シート」は、disinfectant「消毒用の」という単語を使って、disinfecting wipesやdisinfectant wipesと言います。
クッキングシート
→ parchment paper

parchment paperまたはnon-stick baking paperと言います。ケーキを焼くときなどになくてはならないものですが、アメリカではスプレー式のオイルなども売っているのでとても便利です。さすがオーブン料理大国アメリカですね。
タッパー
→ plastic container

「タッパー」はアメリカのタッパーウェアブランズ社が開発製造している商品名が一般的な名前になったものです。プラスチック容器全般を指す言葉はplastic containerです。containerは「容器」という意味です。
これは食品を入れる容器だけでなく、収納ケース、ボトル、袋などのプラスチック製の容器全てに使える言葉なので覚えておくと便利ですね。
「家」に関する和製英語 まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「家」というカテゴーリーに絞って和製英語を紹介しました。家の中にもこれほどの和製英語があふれているなんて本当に驚きですね。和製英語は英語だと思ってうっかり使ってしまうという厄介な存在ですが、一旦正しい英語が分かればすぐに覚えることができます。語彙力が足りないと思っている人には、一番とっつきやすい方法かもしれませんね。
発音に注意しなければいけないものは、音声を何度も聞いて繰り返し声に出す練習してください。発音が悪いといくら正しい単語を使っていても伝わらないことがあります。それはとてももったいないことです。発音は正しく覚えましょう。
おすすめの本!
コメントを残す